2016年5月28日(土)に六合公民館(ロクティ)を会場に医療学習会が開催され、当院の内分泌内科の岡西大介医員と静岡市島田消防署六合出張所の有賀友彰救急救命士が講演を行いました。
第1部では岡西医員から糖尿病についての講演が行われました。糖尿病は、近年急速に増加してきている病気で、最近の統計ではなんと、日本人の5人に1人が血糖異常、更に40歳以上になると3人に1人が糖尿病予備軍であるとの説明がありました。糖尿病と聞くと、「糖が尿から出てくる病気」と最初にイメージしますが、それは氷山の一角であり、様々な合併症(3大合併症、動脈硬化、悪性腫瘍、骨粗しょう症、認知症、感染症など)が潜んでいるとの説明がありました。そして、糖尿病治療の目標は、この「様々な合併症を防ぐ」ことであり、糖尿病専門医の仕事は、まだ起こっていない合併症(見えない敵)と長期間戦う患者さんに対して『息切れしない程度に』やる気スイッチを時々ONにしてあげることだと、優しい口調で語りかけました。
糖尿病の治療として一番最初に思い浮かべることは、つらい食事療法ですが、この1、2年で急速に進歩してきており、患者さん個人個人で治療方法を変える時代になってきたのだとか。例えば、若い人や体重が多い患者さんへは、カロリー制限ではなく、糖質制限の方が効果がある場合もあるとのこと。そして、糖尿病専門医が目指すことは、患者さんが合併症で苦しまず、楽しく、幸せに長生きしていただくことだとして、講演を締めました。
第2部では静岡市島田消防署六合出張所の有賀救急救命士から救急車利用の現状について講演が行われました。講演では、昨年の六合出張所の救急搬送者数は、695人ですが、50%が軽症とのこと、適切な救急車利用が求められていることなどの説明がありました。
また、救急救命は、少しでも実際に見て体験することが大切だとして、その場で簡単な模擬体験が行われました。
今回の学習会には、40名を超える多くの方が参加され、皆さん熱心に講演を聴いていました。
文責:経営企画課