HOME地域医療連携地域との連携地域医療を支援する会2023年5月金谷地区医療学習会

2023年5月金谷地区医療学習会

0527-1.JPG

 2023年5月27日(土)に金谷公民館「みんくる」を会場に医療学習会が開催され、当医療センター口腔外科の田中医師と病院事業管理者の青山医師が講演を行いました。
 はじめに主催者の「地域医療を支援する会」の矢澤代表から開会の挨拶がありました。

 第1部では、田中医師が「口腔内疾患(口腔がん)について」と題して講演を行いました。

0527-4.JPG

 はじめに、口腔外科の診療体制や新病院での治療環境などを紹介し、口腔外科では具体的にどういった治療を行うのか説明しました。口腔外科は、頬骨から下から首のあたりまでが治療範囲になります。一般的な歯科開業医のように歯周病や虫歯、入れ歯などの治療は行っておらず、顎変形症や口腔がん、骨折、インプラント治療などを行っています。次に口腔がんについて解説しました。口の粘膜に傷や腫れ物、赤色や白色の斑点ができ、縮小せずにずっと増殖し続けるのが口腔がんだそうです。症状としては、食べ物が染みて気づくものもありますが、口腔がんの中には症状もなく気づかないものもあるとのことでした。口腔がんができる原因は、過度な飲酒とたばこが代表的な例で、その他にも合わない入れ歯、虫歯などによって欠けた歯が口腔内を刺激することで、がんにつながることもあるため要注意とのことです。

0527-2.JPG

 口腔がんの進行度は、がんの大きさや転移の有無によって、早期がんなのか進行がんなのかに分けられます。舌の腫瘍の大きさが4cm以上、深さ(厚み)が1cmを超えてしまうと進行がんにあたるそうです。また、口腔がんはリンパ節が多くある首や肺にも転移することもあり、特に舌がんになるとリンパ節に転移しやすいとのことです。治療法は手術、放射線治療、抗がん剤治療などがあり、早期がんであれば手術もしくは放射線治療だけで治療が終わることも多く、進行がんになると、手術だけでなく放射線治療や抗がん剤治療を行うなど、組み合わせた治療内容になるそうです。
進行がんになってしまうと、舌の半分、場合によっては舌を全摘することもあります。舌を大きく切除してしまうと日常生活にも支障があるため、摘出した舌の部分の代わりに自分の太腿や腕、大胸筋、腹直筋などから、手術で切除した部分の舌をつくります。舌を半分切除し、他の部位と縫合しても、会話も食事もほとんど変わらず生活を送ることができるそうです。

 口腔がん早期発見のために、①傷、腫れもの、白や赤の斑点がある、②しこり(硬い)を触れる、③触ると容易に出血する、④短期間に腫れ物などが増大し、縮小しない、⑤2~3週間以上治らない口内炎があるなど、これらに該当する場合は、かかりつけの歯科へ受診することを推奨しました。
 最後に口腔がんの自分でできる予防として、①禁煙する、②飲酒は適度にする、③歯磨きなどで口の中を清潔に保つ、④刺激の強い食べ物は控えめにする、⑤不適合義歯(合わない入れ歯)の修理や虫歯治療を行う、⑤定期的に歯科受診して早期発見をすることを呼びかけて第1部は終了しました。

 

0527-3.JPG

 第2部では、病院事業管理者の青山医師が「島田市立総合医療センターの現状」と題して講演を行いました。
 はじめに令和5年3月に竣工した新病院の施設概要を説明し、新しくできた県道交差点と病院のロータリーや駐車場など、利便性が向上した点を改めて紹介しました。当院は災害拠点病院であり、手術中に地震が起こっても手術が継続できるよう、揺れを吸収する免震構造となっています。ヘリポートは災害時の物資運搬や広域搬送の際にも使用できます。旧病院時代は、ばらの丘公園や大井川の河原にヘリコプターが到着し、そこから救急車に乗せて病院へ搬送していました。新病院になり、屋上にヘリポートができたことでドクターヘリによる搬送件数も増加しているとのことです。

0527-5.JPG

救急センターでは、令和4年度は4,608件が救急搬送され、過去最多の搬送件数ではないかとのことです。そのうちの入院率は50.5%であり、東京などに比べると入院率は高く、2人に1人は入院していることになります。また、当院の救急搬送応需率は98.2%と非常に高く、志太榛原地区はもちろん、最近では御前崎や菊川、掛川、磐田からの救急搬送を受け入れています。搬送される症例は、循環器内科では心筋梗塞や心不全、脳神経外科では脳梗塞や脳出血の患者さんが多く、一刻も早い治療が必要となる病気が多いです。他には吐血や下血、骨折、肺炎などの症例があります。病気というのは、症状としては急に起こりますが、かなりの年月をかけて病気になっているものであり、普段から血圧の管理や健康診断・がん診断の受診、骨粗しょう症の予防や運動を心がけることが大切です。

 令和2年2月から新型コロナウイルス感染症への対応が始まり、当院は早期から患者の受入やPCR検査体制を整えてきました。入院患者だけでなく、帰国者・接触者外来、陽性者診察、ワクチン接種を行ってきました。

 最後に、働き方改革により医師の働き方について見直しが必要とされていることを説明しました。緊急度の高い患者さんを優先して治療すること、家族にする病状説明はできるだけ勤務時間内に行うことに関してご理解とご協力をお願いしました。


文責:経営企画課  

カテゴリー

島田市立総合医療センターShimada General Medical Center〒427-8502 静岡県 島田市野田1200-5

TEL0547-35-2111(代表)

FAX0547-36-9155

※詳しくは下記のリンクからご確認ください。

交通案内について

ページの先頭へ戻る