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2023年6月初倉地区医療学習会

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 2023年6月24日(土)に初倉公民館「くらら」を会場に医療学習会が開催され、当医療センター糖尿病・内分泌内科の大石医師と救急外来の杉浦看護師が講演を行いました。
 はじめに主催者の「地域医療を支援する会」の矢澤代表から開会の挨拶がありました。

 第1部では、大石医師が「糖尿病について」と題して講演を行いました。

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 糖尿病とは高い血糖値が続くことで、さまざまな臓器に合併症を起こす病気です。糖尿病が強く疑われる人の割合は年々増加傾向にあり、男性では5人に1人、女性では10人に1人が疑われるくらいになってきているとのことです。
「糖尿病=太っている人がなりやすい病気?」というイメージを持たれるかもしれませんが、1型糖尿病などの病気によっては、細胞に必要な栄養を届けられず、痩せ細ってしまうこともあります。個人の食生活などによる問題だと捉えられしまうことが多いですが、糖尿病の半分以上は遺伝によるものであり、糖尿病学会でも糖尿病に対する負のイメージを変えていこうと進めているそうです。

 糖尿病の症状は、喉の渇き、多飲、多尿、易疲労感、空腹感などが挙げられます。症状がないから糖尿病ではないはず、と思うのではなく、きちんと年1回の健診を受けることで体の状態を知ることが大事だと呼びかけました。
糖尿病の合併症には急性合併症と慢性合併症があり、さらに慢性合併症は細小血管障害と大血管障害に分けられます。細小血管障害は、神経障害、網膜症、腎症を起こし、大血管障害では足の壊疽、脳梗塞、虚血性心疾患を引き起こします。どちらも血管の病気であり全身の病気を引き起こすため、合併症を起こさないためにも血糖値をコントロールしていくことが大事とのことです。

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 糖尿病の治療は合併症を防ぐことを目標に治療を行っていきます。治療と言うと「薬で治療すれば良いのでは?」と思われるかもしれませんが、糖尿病治療の基本は食事、運動であり、必要であれば薬で治療をしていきます。病院では他にも栄養指導を受けたり、人によっては血糖値をコントロールするために教育入院をすることもありますが、基本である食事療法と運動療法の大切さをお伝えしているそうです。

 講演の後半には血糖値を上げにくくする食事の摂り方などクイズを交えて、参加者と一緒に糖尿病について考えました。質問の時間では、「スポーツドリンクはどれくらいなら飲んでも良い?」「畑や茶業も肉体労働に含む?」と次々と参加者から質問が出るなど、参加者全体で糖尿病を予防しようという意識を高めることができました。

 

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 第2部では、救急外来の杉浦看護師が「救急センターの現状」と題して講演を行いました。はじめに当院の概要を紹介しました。
 新病院からヘリポートが設置され、陸路では1時間以上かかってしまうところをドクターヘリでは10分程度で到着することができ、昨年1年間に33件の搬送事例を受け入れています。救急外来は広いスペースを確保し、救急車を同時に4台まで受け入れられ、多い時には6名の患者を受け入れることもできます。さらにスペースをつくることで複数の救急搬送に対し、24時間迅速に対応できるようになっています。ヘリポートと救急外来の間には手術室やHCU、循環器病棟、脳神経外科病棟などの救急専門の診療科が専用直通エレベーターでアクセス可能であり、ドクターヘリが到着してから最短の移動で必要な検査や治療や看護を行うことができます。

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 次に救急医療体制について紹介しました。誰もが適切な救急医療を受けられるように救急医療機関を重症度に応じて、一次救急、二次救急、三次救急の三段階に分けて対応しています。一次救急は緊急度が低く、入院治療の必要がない帰宅可能な患者を、かかりつけ医や地域の開業医が対応しています。二次救急は手術や入院が必要な重症患者に対応し、24時間365日の体制で救急患者の受け入れを行っています。三次救急では二次救急で対応できない重篤な患者の受入やより高度な救急医療を行っています。救急体制として、当院は第二次救急医療を担っています。年々救急搬送は増加傾向にあり、高齢化が進んでいることや新型コロナ感染症の影響もあり、2020年からはさらに増加し、2022年に当院へ救急搬送された事例は4,573件と、近年で最も多い件数となったそうです。また、近年では救急車での搬送を断られるケースもありますが、昨年度の当院の救急車受入率は98%を超えています。地域の皆さんが安心して救急医療を受けられる病院であるように、文字通りの「断らない医療」を実践しています。

 時間外の救急診療体制についても紹介しました。時間外とは平日17時から翌日8時30分まで、土日祝日の全日を指します。救急外来では各診療科の医師が毎日交替で患者を診ていますが、専門外の患者を診ることもあり、場合によっては専門の医師を呼ぶこともあるため、患者さんや付添いの方を待たせてしまうこともあります。また、搬送された患者さんと自己来院された患者さんを診ることもあり、重症度を判断して診察するため、順番が前後してしまうことを理解していただきたいとのことでした。急病ではないにも関わらず、休日や夜間に救急外来を受診するようなコンビニ受診は控えていただくようお願いしました。救急医療に携わる医療スタッフの負担も大きくなり、身近な地域の医療体制を維持できなくなる恐れもあります。大切な命を救うため、本当に救急医療を必要とする人のために救急外来の適正利用を呼びかけました。


文責:経営企画課  

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