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2026年6月初倉地区医療学習会

 2026年6月20日(土)に島田市立初倉公民館「くらら」で医療学習会が開催され、当医療センター循環器内科の金森医師と、島田市健康づくり課の齋藤保健師が講演を行いました。昨年度に引き続き会場を埋め尽くすほどの参加者が訪れ、初倉地区にお住まいの皆さんの健康への意識が高いことが伺えました。

第1部:「循環器疾患について」-金森医師(当医療センター循環器内科主任部長)

 日本は世界で最も寿命が長い国ですが、健康寿命と寿命の間の年数が縮まらないことが問題となっています。要介護5になる要因は循環器疾患が一番多いと言われており、医療費についてもがんより循環器疾患の方が高くなっています。

 心臓病は、心臓の構造や機能の異常により生じる病気の総称です。当院の循環器内科の入院患者で多い疾患は「虚血性心疾患」「不整脈」「心不全」となっています。

1.虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
 心臓は全身に血液を送っていますが、心臓自体も血液を受けないと動けません。血液を供給している冠動脈が動脈硬化で詰まってしまい、血流不足で胸が苦しい状態が狭心症です。長い間血流不足になり、心臓の筋肉が壊れると心筋梗塞となりますが、病態としてはどちらも同じです。

 心筋梗塞を起こした人の3割から4割は自宅で亡くなっています。そのため、発症したら一刻も早く救急搬送することと、状況によってはAEDを使用することが大切です。また、前兆に気づくことができると発症を防げる場合もあります。

  • 胸の痛み・圧迫感・絞扼感(締め付け感)
  • 胸やけ
  • 放散痛(腕・肩・歯・顎など、痛みの原因がある場所から離れた部位や周辺にまで広がるように感じる痛み)

 これらの症状が数分から10分程度でおさまる状態を繰り返していると、心筋梗塞の前兆に該当する可能性があります。

 さらに、以下の症状が起きた場合には救急受診をした方が安全です。

  • 胸の痛み・圧迫感が10分以上続く
  • 冷汗、吐き気
  • 放散痛
  • 今までに感じたことのない強い胸部の痛み
  • 気を失う


2.不整脈
 不整脈は、脈の打ち方、リズムや回数がおかしくなることです。種類としては期外収縮、頻脈性不整脈、徐脈性不整脈等がありますが、最近話題になっているのが心房細動です。心房細動は脈の間隔がバラバラになることで、80代の1割弱が持っていると言われています。心房細動があると血流が淀み血栓ができ、それが剥がれると大動脈から流れて脳梗塞の原因となります。そのため、定期的に脈をチェックし、打つタイミングや強さが不規則だと感じたら受診を行うことが大切です。

3.心不全
 心臓に何かしら問題があり症状を来していれば心不全と呼ばれます。定義としては、心臓が悪いために息切れやむくみなどの症状を引き起こし、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。具体的な症状は以下のとおりです。

  • 血液のうっ滞によるもの:息切れ、呼吸困難、むくみ
  • ポンプ機能の低下によるもの:疲れやすい、不眠、冷感

 心不全は重症度と進行度に合わせてA~Dの4つのステージに分類されます。

  • ステージA:心臓病の危険因子(高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、肥満等)がある
  • ステージB:心臓病(心筋梗塞、弁膜症、不整脈等)の既往歴がある
  • ステージC:心不全の症状がある
  • ステージD:治療を行っても十分な改善がみられず、日常生活に大きな支障がある末期的な状態

 心不全は全がんより生存率が低く、予後が悪い病気となっているため、以下の予防策が大切です。

  • 適切な血圧管理
  • 肥満の改善
  • 糖尿病や脂質異常症の治療
  • 適度な運動、禁煙、多量飲酒の回避


今日からできる心臓病予防
 毎日血圧を測ること、心臓に関する症状(胸痛、冷汗、息切れ)は我慢せず受診すること、脈の乱れを定期的にチェックすること、減塩・体重管理・運動を行うこと、禁煙を行うこと、飲酒を控えることで、日ごろから心臓病を予防しましょう。
 

第2部:「適塩について」-齋藤保健師(島田市健康づくり課)

適塩が大事な理由
 島田市は糖尿病、高血圧の方の医療費が他の市町と比較して高いです。人工透析の原因疾患や、特定健診の結果からも糖尿病や高血圧に関する疾患が多いことがわかっています。

 令和4年度に島田市で健康づくりと食育に関するアンケートを行った結果、1日に野菜をどのくらい摂取しているかという設問に対して、健康に関心が高い高齢者でも、68.5%が厚生労働省が推奨する目標(1日350g)には達していません。運動習慣についても、「していない」の回答が高齢者・成人ともに最も多くなっています。

 これらの様々なデータの結果により、島田市では高血圧に関する対策を行うことがとても大切です。

塩のとりかたチェック
 「ふじのくにお塩のとりかたチェック」を使用し、過去1か月の食生活を振り返りました。

  • 食べる量は同世代の同性と比べてどうか
  • お寿司やお刺身につける醤油の量はどのくらいか
  • 味の付いた料理に醤油、ソース、塩、ポン酢を使用するか
  • 寿司、炊き込みご飯、チャーハンなどの味の付いたご飯を週何回食べるか

以上の項目を含め、全部で19項目についてチェックを行いました。

適塩のポイント
 食塩摂取の1日の目標量は、男性7.5g、女性6.5g未満となっています。国民健康・栄養調査(令和5年)では、男性10.7g、女性9.1gが平均値となっているため、およそ3g減らすことが目標となります。
そこで島田市では「TE・Aプロジェクト」で適塩を推進しています。適塩とは、「適正な塩分量を知って、できることから始めよう!」という取り組みです。
※参考:島田市適塩(T)適(E)塩(A)アクションプロジェクト(島田市ホームページ:外部サイト・別ウィンドウで開く)

【適塩6か条】

  1. 野菜マシマシで
  2. 素材のうまみを生かして
  3. 加工品や漬物はちょっと控えて
  4. 汁物は具だくさんで
  5. 調味料はかけるよりつけるで
  6. 塩分量をチェックして


その他
運動について
 運動をすると、体重維持はもちろん、生活習慣病予防、自身の爽快感にも繋がります。また、フレイル予防にも効果があります。フレイルとは筋力が落ちてくることですが、運動をすることで筋力がついて足腰が丈夫になり、いつまでも自分の足で歩いて元気に過ごすことができるようになります。

しまだ健幸マイレージ
 「ちょっと頑張ればできそうな目標」を自分で立てて、達成したらポイントが付くものです。
【ポイントの貯め方】

  1. 自分で決めた目標を達成できたとき
  2. 各種健(検)診、健康講座等を受けたとき
  3. 対象施設を訪れたとき

 ポイントが貯まると商品券や島田の逸品、防災食セット、博物館の入館券等が当たる抽選に応募することができます。応募締切は令和9年1月31日です。
※参考:しまだ健幸マイレージとは(島田市ホームページ:外部サイト・別ウィンドウで開く)

自分の体の状態を知る
 毎日血圧を測ることはもちろん、受診した健(検)診結果をきちんと確認して、自分の体の状態をよく知ることが大切です。10年後の自分がどうなっていたいかをイメージして、そのために元気でいられるようできることから始めていきましょう。

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    金森医師

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    齋藤保健師

文責:経営企画課

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