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腎臓内科について

当科は腎移植を除くすべての腎臓内科診療を対象としております。腎生検による腎疾患の診断と治療方針決定、ネフローゼ症候群やANCA関連腎炎へのステロイド・免疫抑制剤投与、血液ならびに腹膜透析の導入と維持管理を行っております。そのほか、活動性のあるIgA腎症への扁摘パルス療法、多発性嚢胞腎へのトルバプタン治療も適宜施行しております。平成30年度は腎生検29例、透析導入57例(うち腹膜透析17例)、バスキュラーアクセス作成手術76例(自己血管内シャント57例、人工血管内シャント11例、長期留置型カテーテル7例、上腕動脈表在化1例)、シャントPTA 210例、経皮的腹膜透析カテーテル留置術13例施行しました。
当院は日本腎臓学会研修施設、日本透析医学会施設となっております。

※以下をクリックすると詳細説明にジャンプします。
01  CKD(慢性腎臓病)病診連携
02  AKI(急性腎障害)診療
03  院内Kidney surveillance
04  腎生検
05  糸球体腎炎やネフローゼ症候群に対する各種治療
06  糖尿病性腎症やそのほかの慢性腎臓病の管理・指導
07  末期腎不全の血液・腹膜透析導入並びに維持管理
08  バスキュラーアクセス作成
09  VAIVT(バスキュラーアクセスインターベンション治療)
10  経皮的腹膜透析カテーテル留置術

 

医師紹介

医師紹介
職名 氏名 医師免
取得年
学会専門医資格等 備考
主任部長 野垣文昭 H5 日本内科学会総合内科専門医
日本腎臓学会腎臓指導医
日本透析医学会指導医
日本血液学会認定血液専門医
rt-PA適正使用講習会受講済
総合内科兼務
血液内科兼務
医長 鈴木訓之 H15 日本内科学会総合内科専門医
日本内科学会認定内科医
日本腎臓学会腎臓専門医
日本透析医学会専門医
日本老年医学会老年病専門医
日本老年医学会指導医
 

 

医療診療表

医師診療表
 
午前 鈴木 野垣 野垣 鈴木

 

業績

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1  CKD(慢性腎臓病)病診連携

蛋白尿(尿蛋白0.15g/gCr以上、またはアルブミン尿30mg/gCr以上)や腎機能低下(eGFR 60ml/分/1.73m2未満)が3か月以上持続するとCKDの診断になります。CKDは将来的に末期腎不全に至り人工透析が必要となる可能性のある慢性疾患です。また、狭心症や心筋梗塞といった冠動脈疾患や心不全の大きなリスク因子でもあります。しかし、CKD患者は我が国成人人口の10%以上存在すると推定されており、腎臓内科などの専門科のみで診療することは不可能です。初期の段階は地域の診療所で主に診療していただき、病期の進行に従い、当科のような専門科との連携を進めていく病診連携が重要となります。

島田医師会のご協力をいただき、「CKD病診連携」のシステム作りを行いました。概要としては、以下のようになります。
(1)当科への紹介基準

  • 尿蛋白(2+)以上または0.5g/gCr以上、または顕性アルブミン尿(300mg/gCr以上)
  • 尿蛋白、尿潜血ともに(1+)以上
  • 糖尿病患者の場合は微量アルブミン尿(30~299mg/gCr)が陽性
  • 尿所見に関係なく、eGFRが40mL/min/1.73m2 未満に低下
  • eGFRが不明な場合は、男性Cr1.5mg/dl以上、女性Cr1.2mg/dl以上

当科受診後CKD原因疾患の検討と治療方針の提案をおこないます。以降は診療所での加療を継続していただきます(基本的に当科の受診はございませんが、腎機能が不安定等必要あれば当科に数か月に1回程度の受診をしていただく可能性はございます)。

(2)当科再紹介の基準
診療所で加療していただいている中で尿所見の悪化や腎機能の低下等の問題が生じることもあります。当科に再受診をお願いする基準は以下のようになります。

  • 尿蛋白、尿潜血ともに従来より+以上悪化、あるいは尿蛋白が従来より++以上悪化
  • 血尿蛋白尿で紹介いただいた場合は、eGFR が40mL/min/1.73m2 未満に低下
  • 短期間(数か月)でのCr値が1.5倍以上の上昇
  • 初診時の紹介理由に関係なくeGFR 20mL/min/1.73m2未満に低下
  • コントロール困難な高血圧、浮腫、貧血、高カリウム血症など

eGFR 20mL/min/1.73m2 未満では透析導入に向けて、透析療法選択説明、内シャント作成・腹膜透析カテーテル埋め込み術を行う時期でもあり、当院にも数か月の1回程度定期受診をしていただき、診療所との併診というかたちになります。

診療所の先生方へ
CKD病診連携専用の紹介状も作成しましたので、ご使用いただければと思います。
CKDチェックリストは、CKD診療に役立つポイントを記載しております。

島田地区CKD病診連携(詳細) (PDF 200KB)
CKD病診連携紹介状 (PDF 89.4KB)
CKDチェックリスト (PDF 137KB)

 

2  AKI(急性腎障害)診療

AKIは急速に腎障害が進行する状態であり、KDIGO 2012のAKIの診断基準では、48時間以内に血清クレアチニン0.3mg/dl以上の増加 あるいは7日以内に血清クレアチニンが1.5倍以上の上昇、 または、6時間以上にわたる0.5ml/kg/時未満の尿量減少(体重60Kgで720ml/日未満の尿量に相当)となっています。この基準は入院患者では適用可能も、AKIは外来患者でもしばしば認めるため、実際の臨床上は、「CKDの進行とは言い難い短期間での腎機能低下」ということになります。血尿蛋白尿の検討、尿生化検査からのFENa、FEurea算出、エコー・CT画像からの腎後性変化の検討が必要です。AKIを来す原因は脱水や薬剤性から特殊な免疫疾患まで多種多様であり、腎生検も必要になることがあります。さらに腎機能悪化進行した場合、透析治療によるサポートも必要です。

診療所の先生方へ
AKIチェックリストは、AKI診療に役立つポイントを記載しております。

AKIチェックリスト (PDF 117KB)

 

3  院内Kidney surveillance

腎疾患は特徴的な自覚症状に乏しく、血尿蛋白尿や腎機能低下といった検査データで異常が見いだされる領域と言えます。尿検査や腎機能検査は日常的に行われるありふれた検査なのですが、異常値が出た場合の対応は、個々の医師によりまちまちです。この問題に対して当院では、検査システムにより腎臓内科以外の入院・外来患者において、eGFR 40ml/分/1.73㎡未満、または血尿++以上、またはカリウム6mEg/L以上、または蛋白尿++以上の患者を抽出し(50名/日程度)、腎臓専門医が電子カルテのチェックを行い、腎臓内科受診が望ましい患者に関しては主治医に院内メールで告知を行うKidney surveillanceを連日実施しています。AKI(急性腎障害)の早期発見やコントロール不良のCKD(慢性腎臓病)患者を見出すことに有効であり、従来型の紹介があってから始まる腎臓病診療から大きな転換を図っています。

 

4  腎生検

血尿蛋白尿を認め、緩徐に腎機能が低下する慢性糸球体腎炎、腎機能障害が亜急性に進行する急速進行性糸球体腎炎、急激に腎不全が悪化する急性腎障害等で、原因腎疾患の特定目的に腎生検を行っています。腎疾患が特定できれば、より適切な治療を行うことができます。エコー下に局所麻酔で針生検を施行します。使用する生検針は18Gで、安全性を重視し突出長16mmのやや短めのものを使用しています。通常の長軸エコー像により腎下極を穿刺する方法に加え、下極に嚢胞がある場合や腸管が近接している場合は、短軸エコー像による腎外側穿刺法も行っています。採取直後に顕微鏡でおよその糸球体数を確認し、光顕用の切片に10個以上の糸球体が確保できるように努めております。今まで処置に伴う重篤な合併症は経験しておりません。術後の臥床安静は6時間としており、以降は車椅子でのトイレ移動は可能で、翌日には普段通りの歩行ができます。出血のリスクも考慮し、5日間の入院での経過観察を行いますが、入院期間をより短期にする試み(2~3日入院)も行っています。腎生検診断は腎臓内科主体で行っており、最短で3日後に診断できる体制はできています。電子顕微鏡的検討はネフローゼ症候群等で、外部の検査会社に依頼して行っております。

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    IgA腎症(IgA染色)

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    ANCA関連腎炎

 

5  糸球体腎炎やネフローゼ症候群に対する各種治療

腎生検でIgA腎症と診断し、腎炎の活動性がある場合は、扁桃摘出+ステロイドパルス療法をお勧めしております。当院耳鼻咽喉科と連携して行なっています。多量の蛋白尿が出るネフローゼ症候群の場合は、腎生検による組織型の確定診断のあと、ステロイドや免疫抑制剤等適切な治療に心掛けています。ANCA関連腎炎等の急速進行性糸球体腎炎おけるステロイドやリツキシマブ治療、全身性エリテマトーデスにおけるエンドキサンパルス治療も行っています。難治性ネフローゼ症候群の場合、LDLアフェレーシスを施行することもあります。

 

6  糖尿病性腎症やそのほかの慢性腎臓病の管理・指導

糖尿病から進行する糖尿病性腎症や高齢者の慢性腎臓病は、将来腎不全が進行し、透析になるリスクが高い疾患群です。患者数が非常に多いため診療所との病診連携をすすめております。(→1  CKD(慢性腎臓病)病診連携を参照してください。)慢慢性腎臓病の進行に応じ、降圧剤治療、食事制限、赤血球造血刺激因子製剤などを用い、腎機能低下の進行を極力鈍化させるように努力するとともに、末期腎不全に至った場合は、適切な時期にバスキュラーアクセス造設等の透析の準備を行い、計画的透析導入を行っています。

 

7  末期腎不全の血液・腹膜透析導入並びに維持管理

慢性腎臓病が進行し、腎機能がeGFR15前後となったころが一つの目安ですが、看護師による透析療法選択説明を行います。血液透析・腹膜透析(および腎移植)の利点・欠点を説明し、ご自分に適した透析療法を選択していただきます。その後血液透析ご希望の場合は、バスキュラーアクセス造設、腹膜透析ご希望の場合は、腹膜透析カテーテル埋め込み術を事前に行います。さらに腎機能低下が進行した時期に透析導入を行います。その後の維持透析は血液透析の場合は、当院で行う場合と周辺の透析クリニックにお願いする場合があります。腹膜透析は1か月に1回当科外来にて管理を行っております。

 

8  バスキュラーアクセス作成

血液透析を施行するためには、高流量の血液を透析器に還流させる必要があり、その血流を身体から確保する場所をバスキュラーアクセスといいます。主なものは自己血管内シャント、人工血管内シャント、上腕動脈表在化、および短期型と長期型カテーテルです。当科ではそのすべての手術に対応しています。自己血管内シャントの場合でも、静脈が深部を走行し穿刺が困難と考えられる場合は、静脈の表在化も適宜併用しています。そのほか、シャント血管瘤やシャント感染の手術も行っています。シャント作成の入院期間は通常1泊2日です。

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9  VAIVT(バスキュラーアクセスインターベンション治療)

脱血不良や静脈圧高血圧症などのシャント血管のトラブルに対しては、まずはVAIVTで対応するのが基本です。シャント血管狭窄に対してはバルーン拡張術(PTA)、血栓性閉塞には血栓吸引を行い、再開通を目指しています。また、VAIVTのみでは再開通が困難と思われる場合は、外科的血栓除去術を組み合わせたハイブリッド手術を行っています。VAIVTの頻度が3か月に1回以上必要な場合は、ステント留置を考慮します。適宜日帰り処置で行っております。

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    左腕頭静脈にSMARTステントを留置したところ

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10  経皮的腹膜透析カテーテル留置術

腹膜透析カテーテル留置術は腰椎麻酔や全身麻酔下に小開腹を行い、カテーテルを挿入する方法(外科的留置術)が一般的で、当院では泌尿器科が手術を担当しております。平成28年度より腎臓内科ではより低侵襲である経皮的腹膜透析カテーテル留置術を始めました。海外ではすでに普及している方法であり、局所麻酔下でエコーと透視を用いながら18~21G針で腹腔穿刺を行うことでカテーテルを留置することが可能です。腸管の呼吸性変動をエコーで観察し、腹膜と腸管が癒着していないことを確認後、慎重に腸管を避けて穿刺する必要がありますが、腹膜とカフを縫合する必要はなく、外科的留置術よりは手技は容易と思われます。また腹膜透析を終了する際のカテーテル抜去も、カフが浅い皮下脂肪内にあるため、比較的容易です。当院では令和元年5月現在27症例に経皮的腹膜透析カテーテル留置術を施行しており、大きな合併症は経験しておりません。

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    21G穿刺針によるエコー下腹腔穿刺

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経皮的腹膜透析カテーテル留置術の動画はこちらから。(YouTubeサイトです)

 


文責:腎臓内科

カテゴリー

市立島田市民病院静岡県 島田市野田1200-5

TEL0547-35-2111(代表)

FAX0547-36-9155

※詳しくは下記のリンクからご確認ください。

交通案内について

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